#5 会社設立当初に描いた「電気を自分で生み出すエネルギー社会」、蓄電池が必要とされる時代が来た

日常生活の中にある蓄電池

太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーが普及し、会社設立当初に描いた「電気を自分で生み出すエネルギー社会」が実現しつつある。そして、FIT制度終了に伴い余剰電力の買取価格が年々下がる現在、発電して余った電力は蓄電する方向に市場がシフトしている。蓄電池を活用すれば、太陽光発電で日中に生み出した電力を蓄電し、電力消費の多い夜間に使うことができる。

わたしたちの生活に欠かせない電気。わたしたちが電気をいつでも快適に使うことができるように、発電所では電力の需要と供給が常に同じになるようにバランスを保っている。この電力の需要と供給のバランスが崩れると、停電(ブラックアウト)が発生するおそれがあるからだ。ところが、太陽光発電が広く普及したことで、発電所が予測できない発電が増え、電力の需要と供給のバランス調整が難しくなった。
しかし、蓄電池を活用すれば電力の需給バランスを調整できるようになる。これがVPP(Virtual Power Plant=仮想発電所)だ。
VPPとは、複数の分散された電力をひとつの発電所のようにまとめて制御を行うこと。「仮想発電所」とも呼ばれ、リチウムイオン蓄電池の活用も期待されている。

一般家庭の視点では「日中に発電した電力を消費電力の多い時間帯に回し、無駄なく使うため」、発電所の視点では「電力の需給バランス調整のため」に蓄電池が必要とされる時代になってきた。

災害大国日本、災害時にも寄り添う蓄電池

2018年に北海道で発生した大規模停電。エリーパワーの蓄電池が役に立ったというエピソードがある。街全体がブラックアウトしても、蓄電池があれば、電気という重要なライフラインを確保でき、またそれが安心につながったそうだ。

エリーパワーでは2012年から一般家庭に対しても蓄電池の普及を促進しており、全国では4万台以上(2019年9月28日時点)の蓄電池が設置されている。蓄電池はVPPとしてだけでなく、災害時の非常用バックアップ電源としても活用できる。

リスクヘッジによる観点からも大規模な発電所だけに頼るのだけではなく、蓄電池を各地に分散させておくメリットは大きい。未来を見据えて、エリーパワーは分散型電源の普及に力を入れている。
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