性能表示ラベル

性能表示ラベルとは

このラベルは蓄電システムの主な性能を分かりやすく表したもので、2023年に新しく作られた性能表示に関する規格に基づいています。
蓄電システムを導入する一般家庭が増え、家庭用蓄電池の普及率は年々伸び続けています。そこで、各社の蓄電システムとしての特徴が見える項目をラベル表示することで、ユーザーに蓄電システムを選ぶ目安として利用してもらう目的で作られました。項目ごとにチェックしながら絞り込んでいくことで、ご希望の蓄電システムを選ぶことができるでしょう。
ぜひ、蓄電システムをお選びになる際のご参考にしてください。
関連情報:一般社団法人 日本電機工業会(JEMA)「蓄電システム 性能表示ラベルのススメ」

POWER iE5 GRID 性能表示ラベル

全負荷型ハイブリッド蓄電システム「POWER iE5 GRID(パワーイエ・ファイブ・グリッド、型番:EPS-40S)」の「性能表示ラベル」です。
エリーパワーの性能表示ラベルの数値は、蓄電システムの各性能を最大限に発揮した場合の数値を掲示しています。
■測定条件について
性能表示ラベルの各項目は、日本産業規格「低圧蓄電システムの評価指標」(JIS C 4413)に従って測定を行っています。

■初期実効容量の数値について
カタログ値とは測定条件が異なるため、数値は一致しません。
・性能表示ラベルの測定条件:充電レート約0.3C、放電レート約0.4C
・カタログ値の測定条件:充電レート1C、放電レート1C
蓄電システムは何度も買い替えるものではなく、設置したら長く使い続けるものです。使い続けることで価値を感じていただけるよう、エリーパワーでは「想定使用期間」と「システム生涯蓄電容量」を大切に考えています。
私たちの身の回りにはたくさんの電化製品があります。私たちの暮らしに電気は欠かせません。将来のことを考えて、安心して長くたっぷり使える蓄電システムをおすすめします。

ポイント1:想定使用期間 ~ロングライフを実現~

想定使用期間」とは、蓄電システムを安全に使用できる期間をいいます。
パワーイエ・ファイブ・グリッドの想定使用期間21年は、無償保証期間15年に加え、定期点検サービス(有償、3年ごとに1回)を2回利用することを想定しています。
エリーパワーの蓄電システムなら、困ったときにご相談をお受けするカスタマーセンターや定期点検サービスなどサポートも充実しており、安心して長くお使いいただけます。
保証期間および定期点検サービスの詳細はこちらをご参照ください。

ポイント2: システム生涯蓄電容量 ~100MWh超を実現~

システム生涯蓄電容量」とは、蓄電システムを想定使用期間まで使い続けた場合に利用可能な総電力量のことをいいます。​
今回、パワーイエ・ファイブ・グリッドのシステム生涯蓄電容量を算出した結果、蓄電池容量5.4kWhで100MWhを超える値を実現いたしました。
この数値は、1日3回の充放電21年間行った場合に利用可能な総電力量としております。約23,000サイクルに相当します。
※1日3回の充放電は、本製品を外部制御する事で設定が可能です。

当社電池セルは繰り返し充放電による劣化が少ない設計となっており、その特徴を客観的かつ明確に示せるよう、当社製品で利用可能な総電力量の最大値を表示しております。この値は、実測データに予測式を加味して算出しております。

実測データおよび安全性試験結果

長寿命を裏付ける実測データ

「システム生涯蓄電容量」の値の裏付けとして、日本の温度環境下において測定した実測データを公表いたします。

当社は、自社で電池開発から製造、販売までを一貫して行っております。このため、蓄電システムに加えて、電池セルに対しても多岐にわたる試験を実施しております。このグラフは、2014年4月から2023年5月に至るまで、当社技術開発センター甲賀分室(滋賀県)の百葉箱の中に設置した電池セルの充放電結果です。約26,000サイクルまで行っております。

1日3回の充放電を21年間行ったときの想定サイクル数である23,000サイクル時点の容量保持率は、約43%でした。23,000サイクル時点の容量保持率43%、初期実効容量5.2kWhとして生涯蓄電容量を算出した結果、約85MWhとなりました。

実測データを①2014年製の旧型式の電池セルであること、②真夏から真冬まで温度幅のある日本の温度環境下であること、③高充放電レート(1C)としていることを性能表示ラベルの測定条件に補正すると、今回の性能表示ラベルのシステム生涯蓄電容量101MWhと大きな乖離のない値になります。

※実測データの容量保持率は、本製品のカタログ値とは異なります。①旧型式の電池セルであることに加え、②温度環境や③充放電レートがカタログの測定条件よりも厳しいため、実測データの容量保持率はカタログ値よりも小さくなっています。

劣化した電池セルの安全性を確認

通常、リチウムイオン電池は製造過程において品質管理を行い、異物混入などの不良品を除去しています。しかし、市場では内部短絡起因の発火事故が報告されています。つまり、リチウムイオン電池は充放電を繰り返すことで、安全性が低下する可能性があると考えられています。

現在の安全性試験では、未使用時に内部短絡試験等を行っているものの、充放電を繰り返すことで高まる安全性の低下リスクを評価する試験ではありません。当社では、未使用時の安全性はもちろんのこと、想定使用期間内にも安全性が担保されていることが重要であり、特に、戸建住宅に近接して設置される家庭用蓄電システムにとって、劣化時の安全性こそお客様が最も確認したいポイントであると考えております。

当社では、定置用蓄電システムで繰り返し使用によりリスクの高まる不安全事象に対して、内部短絡試験で検証しております。

以上を踏まえて、今回実証試験に使用した26,000サイクル経過後の電池セルについて、劣化後の安全性を検証するため、当社標準試験である釘刺し試験(一般的なJIS規格よりも過酷な内部短絡試験)を実施いたしました。

釘刺し試験の結果、対象の電池セルは、発火・発煙せずに、安全に機能停止することを確認できました。
以下、電池セルの電圧、温度グラフと釘刺し試験映像を公開いたします。グラフ、映像にあるように、対象の電池セルは、釘を刺した後でも、発火・発煙することなく、かつ、熱暴走となるような急激な温度上昇が発生していないことがわかります。

従って、当社電池セルは、未使用時だけでなく、使用開始してから想定使用期間である21年相当の期間経過後も、安全性を保っていることが確認できました。

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