このラベルは蓄電システムの主な性能を分かりやすく表したもので、2023年に新しく作られた性能表示に関する規格に基づいています。
蓄電システムを導入する一般家庭が増え、家庭用蓄電池の普及率は年々伸び続けています。そこで、各社の蓄電システムとしての特徴が見える項目をラベル表示することで、ユーザーに蓄電システムを選ぶ目安として利用してもらう目的で作られました。項目ごとにチェックしながら絞り込んでいくことで、ご希望の蓄電システムを選ぶことができるでしょう。
ぜひ、蓄電システムをお選びになる際のご参考にしてください。
蓄電システムは何度も買い替えるものではなく、設置したら長く使い続けるものです。使い続けることで価値を感じていただけるよう、エリーパワーでは「システム生涯蓄電容量」を大切に考えています。
「システム生涯蓄電容量」とは、蓄電システムを想定使用期間まで使い続けた場合に利用可能な総電力量のことをいいます。
今回、パワーイエ・ファイブ・グリッドのシステム生涯蓄電容量を算出した結果、蓄電池容量5.4kWhで76,922kWhを実現いたしました。
この数値は、1日3回の充放電※を15年間行った場合に利用可能な総電力量としております。約16,500サイクルに相当します。
※1日3回の充放電は、本製品を外部制御する事で設定が可能です。
当社電池セルは繰り返し充放電による劣化が少ない設計となっており、その特徴を客観的かつ明確に示せるよう、当社製品で利用可能な総電力量の最大値を表示しております。この値は、実測データに予測式を加味して算出しております。
長寿命を裏付ける実測データ
「システム生涯蓄電容量」の値の裏付けとして、日本の温度環境下において測定した電池セル単体の実測データを公表いたします。
当社は、自社で電池開発から製造、販売までを一貫して行っております。このため、蓄電システムに加えて、電池セルに対しても多岐にわたる試験を実施しております。このグラフは、2014年4月から2023年5月に至るまで、当社技術開発センター甲賀分室(滋賀県)の百葉箱の中に設置した電池セル単体の充放電結果です。約26,000サイクルまで行っており、16,500サイクル時点の容量保持率は、約64%でした。
※実測データの測定条件は、JIS規格の条件とは異なります。
劣化した電池セルの安全性を確認
通常、リチウムイオン電池は製造過程において品質管理を行い、異物混入などの不良品を除去しています。しかし、市場では内部短絡起因の発火事故が報告されています。つまり、リチウムイオン電池は充放電を繰り返すことで、安全性が低下する可能性があると考えられています。
現在の安全性試験では、未使用時に内部短絡試験等を行っているものの、充放電を繰り返すことで高まる安全性の低下リスクを評価する試験ではありません。当社では、未使用時の安全性はもちろんのこと、想定使用期間内にも安全性が担保されていることが重要であり、特に、戸建住宅に近接して設置される家庭用蓄電システムにとって、劣化時の安全性こそお客様が最も確認したいポイントであると考えております。
当社では、定置用蓄電システムで繰り返し使用によりリスクの高まる不安全事象に対して、内部短絡試験で検証しております。
以上を踏まえて、今回実証試験に使用した26,000サイクル経過後の電池セルについて、劣化後の安全性を検証するため、当社標準試験である釘刺し試験(一般的なJIS規格よりも過酷な内部短絡試験)を実施いたしました。
釘刺し試験の結果、対象の電池セルは、発火・発煙せずに、安全に機能停止することを確認できました。
以下、電池セルの電圧、温度グラフと釘刺し試験映像を公開いたします。グラフ、映像にあるように、対象の電池セルは、釘を刺した後でも、発火・発煙することなく、かつ、熱暴走となるような急激な温度上昇が発生していないことがわかります。
従って、当社電池セルは、未使用時だけでなく、26,000サイクル経過後も、安全性を保っていることが確認できました。